今回は『働くADHDママ ~経理をやってみた~』というテーマで、発達障がいの当事者の方にご講演いただきました。WEBセミナーとして開催し、当日は147名と多くの方にご参加いただきました。
講演では、社会人になってから診断を受けられ(ASD, ADHD)、事務職として働く中で、ご自身の得意・苦手なこと(障がい特性)に合った工夫方法を考え、試行錯誤しながら職場やご家庭で実践されてきた経験談をお話しいただきました。講演終了後には、今年度、支援者対象基礎の講座でご講演いただいた、医療法人サヂカム会三国丘病院の河口剛院長に動画にてコメントをいただきました。
受講後アンケートでは、参加者の満足度が大変高いことが表れる結果となりました(大変参考になったが約7割、参考になったが約3割)。自由記述欄では、「当事者だからこそ発信できる具体的なエピソードを聞くことができて勉強になった」「当事者の方がこれまで体験されてきた悩みや葛藤等を直接聞くことができる貴重な時間になりました」といった感想が多く見られました。発達障がいの当事者の方一人ひとりの人生の歩みはもちろん違いますが、今回ご講演いただいた経験談を通して発達障がいへの理解が深まったことが分かるアンケート結果でした。
また、「自己決定の大切さを改めて考える機会になった」「環境によって困り事やその度合いが大きく変わるということが分かった」等、参加された支援者の皆様が日々の支援を振り返り、明日からの支援のヒントを得る機会にもなったようです。河口先生はコメントの中で、「ご自身で工夫をして頑張ってきたこと、周りに配慮を求めたこと等の取捨選択してきた過程が素晴らしい」と仰っていました。それはご自身の得意や苦手を知り整理する自己理解の過程とも言えます。支援者にはその自己理解の過程に寄り添い、伴走する姿勢が求められるのではないでしょうか。
今回は貴重なご講演をいただき、ありがとうございました。