今年度1回目の公開講座は、一般社団法人発達障害専門センター代表理事であり、神尾陽子クリニック院長の神尾陽子先生に「発達障がいを愛着ですませないために～発達障がいの基礎を知る～」というテーマでご講演いただきました。前年度と同様にWEBセミナーの形で開催し、当日は624名という大変多くの方にご視聴いただきました。教育関係や児童期の支援者をはじめとして、福祉に限らず多岐に渡る分野の支援者の方々にご参加いただき、今回取り上げたテーマに高い関心が寄せられていることが分かりました。
ご講演の中では、ASDと愛着の両方の視点でのアセスメントが必要であり、すぐに愛着の問題だと判断してしまう前に、本人の特性を正しく理解し特性に基づいた根拠のある支援を行うことが大切であるとご説明いただきました。また、ご本人支援だけでなく、ご本人の強みを見つけることやご家族のエンパワメントなどのご家族支援の重要性についてもお話いただきました。講演終了後のアンケートでは、「大変参考になった」「参考になった」という感想が9割を占め、発達障がいと愛着の課題の整理ができたという声が数多く聞かれました。実際に見えている言動の背景には何があるのか考えることや、支援者間で共通認識を持ち支援を統一していくことの重要性に気づいたという声も多く、参加された支援者の方々の今後の支援に活かしていただけるのではないかと思います。神尾先生、ありがとうございました。